久しぶりに夢を見ました。
『北斗の拳』に登場するラオウの実兄のカイオウが出てきました。
あの、泣く子はさらに泣き喚くカイオウ様です。
ぼくはけっこう高層マンションの高い階に住んでいて、
そんなオシャレなところにはふさわしくない煤けた居間で、
恋人とコタツでみかんを食べながらオーティスを聴いていると、
カイオウ様がやってくるという連絡が入るのです。
なぜうちにカイオウ様が???
と思っていると、どうやら恋人のお兄さんだということが判明し、
これはオリジナル・ストーリーの展開からしても、
恋人かぼくが確実にやられる、
やられる、というのは「殺」を「や」と読ませる「やられる」で、
やられる!と思ってびくびくしていると、
果たして本当にあの鎧を着て仮面をかぶったカイオウ様が
体中から魔闘気をしゅーしゅーと噴き出し、
マントをひるがえしながらエレベーターに乗ってやってくるのです。
そしてチン!と到着の音がして、部屋に入ってくるのです。
玄関で出迎えたぼくは努めて冷静を装って、
はじめまして、妹さんとお付き合いさせていただいています、
伊達と言います
とかなんとか挨拶をしているんだけど、
当然カイオウ様はそんな言葉を無視して、
ブーツを脱いで向きを変えて並べてからずかずかと上がりこみ、
そしてリビングの窓から外を眺めていたかと思うと、
お、レースのカーテン買ったんか?
と言うのです。
カイオウ様がうちに来て、
お、レースのカーテン買ったんか?
と言ったのです。
ぼくは慌てて、
あ、はい。オーダーしてたのがこの間ようやくできてきて……。
とかなんとか答えて、
そしてそれからどういうやりとりがあったのか、
三人でファミリー・レストランに行くことになるのです。
週末のファミリー・レストランはカップルや家族連れで混雑していて、
それなのにさらにぼくの友達がぞろぞろと合流してきて、
みんなで並んでカウンター席に座るのですが、
カイオウ様だけがカウンター席の一番隅っこの、
折れ曲がってトイレなどに通じているような狭いところに
押し込められるように座らされているのです、
しかも行儀よく仮面やマントを脱いで畳んで足元に置いて。
ぼくは席を替わりますと申し出るのですが、
カイオウ様は無言でオムライスを食べているのです。
そしてその時、
デミグラスソースがぴちゃっとぼくのほっぺたに跳ねかかり、
カイオウ様が、
あ、ごめん、ごめん。
と言うのです。
愛に彷徨い、哀しみを心に刻んで壮絶に生きた悲劇の男として
ぼくも敬愛するカイオウ様をこんな形で夢に見るなんて、
恥ずかしい限りです。
不思議な夢でした。