『STONES IN EXILE』
先月、観始めたもののちょっと退屈になってきて
途中で投げ出していた『STONES IN EXILE』を観ました。
英国で人気絶頂だったストーンズが高所得税率の母国を逃れてフランスに移住し、
キースの邸宅ネルコートなどで曲作りからレコーディングまでを行なった
『メイン・ストリートのならず者』(1972)の制作過程を追ったドキュメンタリー映画です。
ネルコートでのレコーディング風景に焦点を当てているのか、
それともイギリスを離れて南フランスに移住したことがテーマなのかが
ちょっと曖昧なために、最初は退屈に思ったのだと思います。
本編はどちらかというと南フランスに移住したことに重点が置かれていて、
たとえばビル・ワイマンが
「英国製のいつもの紅茶を買っても、フランスのミルクに合わない」
と嘆いていたり、
住み慣れたイギリスを離れざるを得なかったことを
ストーンズのメンバーたちは歓迎していなかったようだけど、
その中でキースだけはのん気に楽しんでいたという印象を受けました。
レコーディングをするにしてもネルコートはスタジオではないから何かと不便で、
しかも何人もの関係者が「サウナのようだった」と口を揃えるほどの環境で、
余計な手間もたくさん発生したみたいだけど、こだわらないキースは、
チャーリーから「幸せな奴」呼ばわりされ、
ビルには「心底おめでたい奴」と言われながらも、
「ミックは計画的だが、俺は朝起きてから考える。
ミックがロックで、俺がロールだ」
とカッコいいけれどよく分からないことを言ってなんとなく周囲を納得させ、
陽光の降り注ぐ南フランスでの生活を満喫していたようです。
それでも音楽に関しては、
アイデアが熟するまで寝かせるというアプローチを贅沢なまでに取り入れ、
そしてここぞというときには集中するところなどは、
ため息が出るほどプロフェッショナルでした。
そして出来たアルバムが『メイン・ストリートのならず者』という大傑作なので、
誰も文句は言えないと思います。
本編は1時間程度だったのですが、ボーナス映像が合計90分ぐらいあって、
現在のメンバーたちへのインタビューや、
ミックとチャーリーが当時の邸宅を訪れて40年前を振り返る映像など、
むしろこちらのほうが楽しめました。
ドキュメンタリー映画というよりは、素材をそのまま提供されたような感じです。
「カジノ・ブギ」の歌詞は短いフレーズを書いたカードを適当にコラージュする、
いわゆる「カットアップ」の手法が使われていたということや、
「30年で3歩しかステージの上で移動しなかった」というビル・ワイマンの本人談、
現在のチャーリーのファッションが抜群にエレガントなこと、
そのチャーリーが当時の記憶についてミックと食い違っていることについて、
「直感だけで生きているな」とつぶやくシーンなど、
細かいところでとても楽しめました。
きちんと最後まで観て良かったです。
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